ゼネコンの正式名称って?
ゼネコンと言うキーワードはテレビや新聞でも良く使われてきましたが、真剣に考えてみると具体的には詳しく知らない方もおられるかもしれません。
建設関係と言うイメージは強いと思うものの、それではどのような特徴の企業がこれに当てはまるかとなると、いかがでしょうか。
まず正式名称はゼネラル・コントラクターとなっています。
コントラクターとは請負人や土木関係者を指す英語ですから、ここから考えると全体的な工事を請け負える企業、それがゼネコンの正体です。
土木・建築関係の工事をトータルで元請けできる設備や技術を備えている会社が、こう呼称されることになります。
これらの会社が総合的に土木・建築を請け負えると言うのは、多彩な建物やインフラを構築できると言う事を意味するわけです。
ビルやマンションの他にスポーツ施設、公共施設なども建築できる会社が多数となります。
テレビCMで流れる会社も多く、末尾に組が付いている大手建設会社は、そうであるケースが多いと言えるでしょう。
総合的に工事事業を手がけるので、規模的にも大きくなってメディア露出も増えているわけです。
ここで注意が必要なのは総合的に工事を請け負えるとしても、それは全てのことを一社でこなせる、と言う事を意味するのではありません。
元請けとして工事を引き受けるのですが、そこからは下請けや孫請けにも多彩な仕事を任せていきます。
自社ですべてやると言うのではなく他の会社とも連携しながら、全体的な工事のプランニングを主導してイニシアティブを執るのが役割です。
ゼネコンは高次元での設計・施工力をもつ
このような現場で高い指導力を発揮し、大きなプロジェクトを成功させるためにはハイクラスな技術が欠かせません。
このためにゼネコンと呼ばれる企業では高次元での設計・施工力を保持し、しかも日進月歩で技術開発や研究に取り組んでいると言う側面があります。
新たなテクノロジーや革新的な施工技術によって、今まで不可能であった建築物を実現し、工期短縮や費用の削減などにも寄与していると考えられるでしょう。
これらの次世代的な取り組みは大規模な企業でなければ、やはり積極的に行うのは難しいものがあると言えます。
建築業界は今では厳しい経営を強いられている会社も多くなっていますから、余力のある企業はある程度は限られてくるのです。
このような事情の中で先進的な取り組みを続けられる企業が、大きな役割を担っていると言うことができるかと思います。
このような大規模で総合的な企業が成長してきた理由は、日本の政治史・経済史から読み解くことが可能です。
戦後の日本は破綻した経済を建て直すために、色々な取り組みを続けてきました。
傾斜生産や輸出拡大などが取り組みとして挙げられますが、これらは高いインフレを招いたり、貿易摩擦の是正策のために勢いが衰えてしまったものです。
景気回復のための公共事業促進
これらの取り組みの後に不況に陥った日本が執った策が公共事業の促進であり、公共施設などを多く作ることで有効需要をもたらそうと言うものでした。
土木建築系の会社はこの公共事業の流れを受け、どんどんと実力を増してきたことになります。
加熱した土地投資のせいでバブル経済が生じ、やがて破綻するなどの問題もありましたが、そのような大きな波にも負けずに残っている企業も多数です。
中でも伝統ある大企業は浮き沈みの激しい時代を経て、着実に経営力を増してきており、現在ではスーパーゼネコンとして5社が数えられます。
単独で一兆円を超える売上を誇っており、社内に幅広い部門を備えているのも特徴で、業界のパイオニア的な存在です。
このように多彩な分野を持つ企業形態は西欧では余り見られないと言われます。
設計は設計会社に任せて、施行は専門の会社が受け持つと言う風に、分業化が進んでいるのがヨーロッパなどでは主流なようですが、日本の大手は一社で請け負えるわけです。
これにはメリットもあればデメリットもあるでしょう。
前田裕幸氏が語るゼネコンの進歩とは?
建築関係の業界は長引いた不況で低迷した時期もありましたが、現在では回復基調にあるとされています。
大型のスポーツイベントに併せて施設や競技場を作る必要が出てきた他にも、公設市場の移転など都市計画の見直しによる事業も大掛かりなものが見当たるようになってきました。
これらの大規模な建設工事は、やはりゼネコンが力を発揮する分野と言えるでしょう。
今までもランドマークになっているようなタワーやドーム型球場の他に、ダムなどもこれらの企業が手がけてきました。
現在から未来を考えても、建設事業は欠かせない以上、総合的に請け負える企業は大切な役割を担うことになるでしょう。
日本は災害大国ですから、防災のための設備なども欠かせません。
公共事業も有益なものに絞ると、移動の際の便益を向上したり、環境客誘致に一役買う場合もあります。
インフラの建設と改良は特に、経済活動にとっては重大な意味を持つと言えます。
人々に安心と豊かさをもたらすには、ゼネコンの進歩とハイクオリティーな仕事は欠かせないかも知れません。
最終更新日 2025年6月10日 by kairak