■家を売る様々な理由について
家を売る機会は一生のうちに多くあるものではなく、人によっては一度も経験することがない場合もあります。
それだけ珍しいことではありますが、売る理由が生まれた場合は否応なしに売らなければならないことが多いのです。
・実家の処分
理由としてまず挙げられるのは実家の処分です。
田舎の両親が老人ホームに入ったり子ども世帯と二世帯住宅で暮らすようになると、実家は無用の長物になってしまいます。
また、両親がともに逝去すると誰も住むことがなくなるため、所有しているだけで固定資産税などの費用がかさみます。
そうなると負債という扱いになるため、売却を進めるようになります。
・マイホーム購入後の転勤
また、マイホームを購入した後に転勤する場合も売却する理由になります。
単身赴任という手段もありますが家族はできるだけ一緒に暮らしたほうが良いことは間違いなく、売却することになります。
しかし、この場合の売却は悪いことばかりではなく、売却した資金を元手に新たなマイホームを建てることも可能です。
注文住宅を建てることは一度で満足できないことが多いため、二度目のマイホームで本当に理想のマイホームを建てられるのです。
■不動産売買
さらに、不動産売買を行っている場合は売却する理由の筆頭としてあげられます。
この場合は住宅ではなく投資物件としての売却になりますが、投資物件は購入しただけでなく売却まで終わらせなければ利益が確定されません。
購入価格よりも高く売却することが必要になりますが、そのためには良い物件を選んで購入し、不動産価格の推移を見ながらタイミングを見計らって売却するという高度な投資手腕が求められるのです。
私も家を売るという貴重な経験をしたことがあります。
夫が勤めていた会社で支社を作ることになり、転勤を命じられたのです。
既にマイホームがあり、子どもも小学生だったため単身赴任という選択肢も真剣に検討しましたが、やはり家族が離れて暮らすことは避けたいという思いがあったことと、マイホームを建てたときより不動産価格が上昇していて、土地を含めると購入価格にかなり近い価格で売却できることが予想されたため、売却を決意しました。
・売却手順
売却手順は意外と複雑でした。
まず、不動産業者に連絡を取って査定をしてもらいます。
その価格を元に広告を出し、購入希望者を募るのです。
私たちの場合は複数の不動産業者に査定をしてもらい、そのなかから2番目に高い査定額を出してくれた業者に仲介を依頼しました。
通常であれば最も高い査定額を出した業者に依頼するところですが、担当者の能力や真摯さなどを鑑みた結果、査定額よりも優先すべきものがあると気付いたのです。
幸いなことに、広告を出してからすぐに複数の問い合わせがあり、そのうちの3件はすぐにでも内見したいということでした。
不動産業者が言うには、これほどの反響は珍しく、立地が優れていることと築年数が浅いことが良かったとのことです。
・内見は重要なポイント
自宅なので、内見には全て立ち会いました。
まだ生活している自宅の中を案内するのは気恥ずかしさもありましたが、モデルルームとは違う生活観を見せることができるので良い面もあります。
実際に内見を行った3組は自分たちが生活するイメージを思い描いていたようで、間取りだけでなく細かな使い勝手まで詳細に質問をしてくれました。
その中の一組は私たちのマイホームに非常に興味を持ったようで、内見を終えてすぐに購入の意思を示し、価格の交渉を行ってくれました。
価格交渉は直接行うわけではなく不動産仲介業者を通しますが、お互いに納得のいく金額で歩み寄ることができました。
これで一段落といいたいところですが、売却が完了するまでの道のりはまだ始まったばかりです。
・価格が決まってからも複雑な書類手続き
価格交渉がまとまってから行ったことは、まず手付金の受け取りです。
このときは不動産業者だけでなく売り主である私たちと買い主、さらに法律面を担当する司法書士も立ち会い、小切手で支払われました。
同時に不動産の権利や備え付けておく設備の有無などに関する重要事項の説明をしますが、この点については事前に不動産業者と打ち合わせをしていたので、その内容を不動産業者の担当者から書面と口頭で伝えてもらいました。
続いて売買契約の締結を行います。
買い主の方はローンで購入するのですが、段取りが非常に良く既にローンを受けられる見通しが立っているとのことで安心しました。
そして移転登記を行い、書類上の手続きはほぼ完了です。
日を改めて土地の実測を行います。
この点については、私たちが現在住んでいる住宅なので書類もしっかりと揃っていて、書類の数値と実測がぴったりと一致して全く問題ありませんでした。
最後に、引き渡し日に鍵を渡し、不動産仲介業者に手数料を支払って全ての売買手続きが完了しました。
住み慣れたマイホームを離れるのは寂しいですが、既に夫の転勤先で新たにマイホームを建てるための土地を探し始めています。
しばらくは賃貸のマンション暮らしになりますが、夢は膨らむばかりです。
最終更新日 2025年6月10日 by kairak