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■住宅ローンの基礎知識
マイホームの購入は、人生の中でも大きな買い物の1つです。
金額が大きいので一括で支払うことができる人は少数で、多くの人が住宅ローンを利用して購入しています。
これからマイホームの購入を考えている人は、賢く利用するためにも基礎知識は備えておきたいところです。
(1)どのくらい借り入れできる?
まず、ローンの利用を考えた時に気になるのが、いくらくらい借り入れることができるのか?ということです。
金融機関によって実際の金額には違いがありますが、ある程度の目安は知ることができます。
目安を計算するにあたり、まずチェックすべきなのが年間返済額の上限です。
その上限は「年収(税込)×返済負担率」で計算することができます。
もし他にローンを抱えている場合には、それを計算に入れて考慮する必要があるので注意しましょう。
返済負担率は金融機関によって多少差はありますが、25%〜35%以内と設定しているところが多いです。
年間返済額が算出できたら、そこに年利と借り入れ年数を入れて試算します。
例えば100万円あたり年利4%で35年の場合、返済額は4,428円になります。
これを元に35歳で年収700万円、返済負担額30パーセントの場合を試算してみましょう。
まず、年間返済額は700万円×30%で210万円となります。
そして100万円あたりの年間返済額を入れて計算すると、210万円÷12ヶ月÷4,428円×100万円で3,952万円になり、これが借り入れ可能額の目安となります。
しかしあくまでも目安であり、他にローンを抱えていたり年利や返済負担率が違ってくると、もちろん金額は大きく変わってきます。
(2)借り入れ要件の基準
住宅ローンは多額のお金を借り入れするため、誰もが借りることができるわけではありません。
借り入れの要件には、借入者本人と購入予定の物件の2つに基準が設けられています。
銀行ローンの場合、借入者本人に対する要件としては年齢や最低勤続年数、最低年収などがチェックされます。
返済能力の有無を確認するためのもので、年齢は20歳〜65歳くらいまで、勤続年数は最低でも1〜3年、最低年収は200〜400万円程と決められています。
物件に対する要件としては、基本的には建築基準法に基づいて建てられたものであれば問題ありません。
しかし、不動産の流通性が確保できる物件であるかというのは重要になりますので、それが認められない物件は審査に通らない可能性があります。
(3)借り入れにかかる諸費用について
実は、物件の価格以外にも諸費用というものがかかります。
物件の予算を考える時には、この諸費用も考慮した上で決める必要があります。
では、諸費用とはどのようなものなのでしょうか?
まず、貸借契約をする時に必要になるのが「印紙税」です。
借入れの金額が1,000万円以上5,000万円以下であれば、一律2万円となっています。
その他にも「住宅ローンの事務手数料」・「抵当権設定費用」・「司法書士報酬」・「火災保険料」などがあります。
金額や必要な諸費用は、ローン契約する機関によっても違いがありますので、あらかじめ確認しておきましょう。
(4)フラット35とは?
「フラット35」を聞いたことはありませんか?これは、住宅金融支援機構と民間金融機関が提携して作った住宅ローンです。
最長35年で全期間固定金利なのが大きな特徴です。
また、民間銀行のローンほど借り入れ要件が厳しくありません。
年齢は70歳未満までで勤続年数は制限がなく、年収も安定した収入があれば問題ありませんので、所得の低い人でも比較的利用しやすいローンとなっています。
物件の要件としては、原則として「適合証明書」の交付を受ける必要があります。
「フラット35」を利用する際に注意が必要なのが、取り扱いの金融機関によって金利が異なる点です。
全期間固定金利ではありますが、二段階に金利が上がる方式を採用しているところもありますので、機関ごとのシステムをよく確認しておく必要があります。
(5)自分に合った金利タイプを知ろう!
ローンで1番重要なのが金利です。
金利によって返済額にも大きな違いが出てくるので、自分に合ったタイプを選択する必要があります。
タイプは大きく分けて、全期間固定金利型・固定金利選択型・変動金利型の3つがあります。
全期間固定金利型は、先程ご紹介した「フラット35」もこのタイプです。
固定金利選択型は、一定の期間金利が固定されるタイプで、その期間は自分で選択することができます。
期間終了後は新たにタイプを選び直すことができます。
変動金利型は、他のタイプよりも金利が低い傾向にありますが、年に2回見直されるため変動の影響を大きく受けます。
■まとめ
今回は住宅ローンの基礎知識についてご紹介しましたが、いかがだったでしょうか。
マイホームは大きな買い物ですので、できれば1番最善の方法で購入したいですよね。
そのためには、まずローンについて知識を得ることが必要です。
賢く利用するためにも、数ある中から自分に最適なものを選びましょう。
最終更新日 2025年6月10日 by kairak