みなさん、普段何気なく手に取っているお菓子やスキンケア製品のパッケージ。
その柔らかな手触りや、思わず手に取りたくなるようなデザインには、実は奥深い魅力が隠されているんです。
私は5年間、大手食品メーカーでパッケージデザインに携わってきました。
日本の軟包装業界では、朋和産業をはじめとする優れた企業が、朋和産業の軟包装資材製造を通じて、私たちの暮らしを支えています。
今回は、軟包装(そふとほうそう)という、私たちの生活に密接に関わるデザインの世界について、女性ならではの視点でお話ししていきたいと思います。
軟包装デザインの基本
軟包装とは何か?その特徴と利点
「軟包装って何?」そう思われた方も多いのではないでしょうか。
実は、ポテトチップスの袋やレトルトカレーのパウチ、化粧品の詰め替え用パックなど、私たちの身近にあふれているんです。
軟包装の最大の特徴は、その名の通り「柔らかさ」。
硬いダンボールや瓶とは異なり、フィルムやアルミ箔などの柔軟な素材で作られています。
私が特に注目しているのは、軟包装ならではの触覚的な価値です。
手に取った時のしなやかさ、指先で感じる質感の違い。
それらは、商品との最初の大切な出会いを演出する重要な要素なんです。
軟包装の進化:過去から未来へのデザインの流れ
軟包装の歴史は、実は私たちの生活スタイルの変化と密接に結びついています。
【過去】 【現在】 【未来】
↓ ↓ ↓
単純な保護 → 使いやすさ → 環境との調和
機能重視 +感性重視 +持続可能性
かつては「中身を守る」という機能が最優先でした。
でも今は違います。
使い勝手の良さはもちろん、パッケージを開ける時のわくわく感や、使い終わった後の処理のしやすさまで。
私たちデザイナーは、商品の全てのライフサイクルを考えながらデザインを行っています。
女性消費者が軟包装に求めるものとは?
💡 女性消費者が重視するポイント
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│ 見た目の美しさ │
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↓
┌─────────────┐
│ 使いやすさ │
└───────┬─────┘
↓
┌─────────────┐
│ 環境への配慮 │
└─────────────┘
私がカルビーで働いていた時、女性消費者への調査で興味深い発見がありました。
パッケージの「見た目の美しさ」は重要ですが、それ以上に「日常生活での使いやすさ」を重視する傾向が強かったのです。
例えば、「片手で開けられるか」「冷蔵庫にスッキリ収まるか」といった、生活者としての視点が非常に細やかでした。
また、最近では環境への意識も高まっています。
「このパッケージ、リサイクルできるのかな?」
そんな声も、よく耳にするようになりました。
心地よさを生むデザインの要素
見た目だけじゃない:手触りや質感の重要性
パッケージデザインで大切なのは、視覚だけではありません。
私が特にこだわっているのは、触覚的な体験です。
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▼ 質感の要素 ▼
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・マット加工:しっとりとした上質感
・エンボス加工:指先で感じる立体的な模様
・ソフトタッチ:やわらかな手触り
・メタリック:クールな印象と高級感
例えば、スキンケア製品のパッケージ。
つるつるした質感よりも、しっとりとしたマット加工の方が、商品のイメージと調和することが多いんです。
「この感触、使う前から期待が高まるわ」
そんな声を聞くと、デザイナーとしての喜びを感じます。
カラーや模様が与える心理的影響
色や模様は、私たちの感情に深く働きかけます。
色彩 | 与える印象 | 適した商品カテゴリー |
---|---|---|
パステルトーン | やさしさ、清潔感 | スキンケア、ベビー用品 |
ナチュラルカラー | 安心感、素材感 | オーガニック食品、雑貨 |
ビビッドカラー | 楽しさ、エネルギー | お菓子、ドリンク |
特に印象的だったのは、あるオーガニック食品のプロジェクト。
落ち着いたアースカラーと、手描き風の植物模様を組み合わせることで、商品の自然な魅力を引き出すことができました。
包装から伝わるストーリー性とエモーション
私が常に心がけているのは、パッケージを通じて「物語」を伝えること。
ただ商品を包むだけでなく、その向こうにある想いやストーリーを、デザインを通じて表現するんです。
【ストーリーを伝えるデザイン要素】
商品コンセプト → デザイン表現 → 消費者体験
↓ ↓ ↓
素材の物語 → 自然な色使い → 安心感
職人の想い → 手作り感 → 信頼感
伝統の技 → 和風模様 → 親近感
例えば、老舗和菓子店とのプロジェクトでは、江戸小紋の模様を現代的にアレンジ。
伝統と革新が融合した包装デザインに、多くのお客様から「和菓子への新しい魅力を感じた」という声をいただきました。
女性目線での具体的なデザイン事例
ユーザー視点で生まれた成功事例
私が特に印象に残っているのは、化粧品の詰め替えパウチのリデザインプロジェクト。
従来の「立てにくい」「注ぎにくい」という女性たちの声に着目し、底面の形状を工夫。
その結果、片手でもスムーズに詰め替えができるデザインが実現しました。
使う人の立場に立って考えること。
当たり前のようで、意外と忘れがちなこの視点が、実は最も重要なんです。
日本の伝統模様を取り入れたパッケージの魅力
京都に住む私が特に注目しているのが、伝統模様の現代的な解釈です。
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◆ 和素材の活用例 ◆
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青海波 → リズミカルな波模様で清涼感を表現
麻の葉 → 六角形の組み合わせで先進性を表現
市松模様 → モダンなグラデーションで遊び心を演出
これらの模様は、単なる装飾ではありません。
長い歴史の中で培われた「美しさの法則」が、現代のデザインにも新鮮な魅力を与えてくれるんです。
多様化する消費者ニーズへの応え方
最近の消費者ニーズは、本当に多様化しています。
「環境に優しい」「使いやすい」「インスタ映えする」…。
一見、相反するような要望も、デザインの力で解決できることがあります。
┌─────────────────┐
│ 消費者ニーズの変化 │
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↓
┌─────────────────┐
│ デザインでの解決 │
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↓
┌─────────────────┐
│ 新しい価値の創造 │
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持続可能性と未来への提案
環境に優しい軟包装:エコデザインの最新動向
持続可能性は、もはやオプションではありません。
私たちデザイナーにとって、環境配慮は必須の視点となっています。
従来の軟包装 | エコデザインの特徴 | 期待される効果 |
---|---|---|
複合素材 | 単一素材化 | リサイクル性向上 |
過剰包装 | 最小限の設計 | 資源節約 |
化石原料 | バイオマス素材 | CO2削減 |
持続可能なデザインがもたらすブランド価値
環境に配慮したデザインは、ブランドの価値も高めます。
特に、若い世代の消費者は、企業の環境への姿勢に敏感です。
私の経験では、環境配慮型のパッケージは、SNSでの共有や口コミにもつながりやすい傾向にありました。
心地よさと環境配慮を両立する未来の包装とは?
これからの軟包装デザインで重要なのは、「心地よさ」と「環境配慮」の両立です。
例えば、生分解性素材を使用しながらも、手触りの良さは損なわない。
そんな新しい可能性に、私自身もわくわくしています。
まとめ
パッケージデザインは、商品と消費者をつなぐ重要な架け橋です。
特に軟包装は、その柔軟性を活かすことで、より豊かな商品体験を生み出すことができます。
私たち女性デザイナーの視点を活かしながら、これからも「心地よさ」と「サステナビリティ」が調和した包装デザインを追求していきたいと思います。
みなさんも、普段何気なく手に取るパッケージに、新しい発見があるかもしれません。
ぜひ、その「心地よさ」を意識して感じてみてください。
きっと、買い物がより楽しい体験になるはずです。
最終更新日 2025年6月10日 by kairak